第1回 国際臨床作業療法学術大会に向けて
「日本に点在する作業を大切にした実践者の思いを共有し,育みたい」
その思いで本学会を立ち上げ,早5年が経過しました.幸いに多くの会員の賛同が得られたばかりか,生活行為向上マネジメントなど時勢の後押しもあり,当初の願いがいよいよ現実に近づいています.
そこで今回は5年後に作業療法がどう有りたいのか,その目標を共有できるような学会にする予定です.
そのため,初の国際学会を開催することにしました.これまで我が国では海外の作業療法を「輸入」してきましたが,近年では「輸出」も可能になってきました.臆することなく日本型の「作業に焦点を当てた実践」を発信してください.そして海外の臨床家,研究者から話を「聞く」のではなく,「交流」してください.相互交流によって,皆様の中に沢山のインスピレーションやアイデアが生まれる機会になればと思います.
もう一つの目標は,「作業に焦点を当てた実践」に関するエビデンスの共創です.これまで「作業に焦点を当てた実践」が有用であることは事例レベルで共有できたので,次の目標としてエビデンスの質を高めることが必要になってきます.
今回はTufts大学のTickle-Degnen L教授をお招きし,作業療法におけるエビデンスについて,特に作業療法の「Art」の部分を「Science」に置き換えるためのヒントをいただきたいと思っています.
皆様の臨床や研究のNext Stepになることを期待しています.
第5回日本臨床作業療法学会大会長
友利幸之介